
こんにちは。ひよっこ社労士ととです。
実体験に勝る勉強はない!
ということで、本日はクライアントを訪問した際のやり取りを題材にした「2025年最低賃金改定」と「1年単位の変形労働時間制」についてお話させていただきます。
【目次】
●最低賃金改定
皆様ご存じの通り、今年2025年も最低賃金が改定されました!
都道府県によって金額や改定日が異なり、愛知県を例に挙げると2025年10月18日に1,077円から1,140円に最低賃金が引き上げられました。
それに伴い、クライアント先の給与設定が最低賃金を下回っていないか確認する事務が発生します。
とあるクライアント先の給与及び勤務形態
とあるクライアント先で以下の条件で従業員を雇用しているケースがありました。
・月額給与:基本給190,000円
職務手当5,000円
通勤手当5,000円
・1日所定労働時間:9時から18時(うち休憩2時間)➡実労働7時間
・年間所定労働日数:293日(年間休日数:72日)
まずはこの雇用形態で最低賃金を下回っていないのか、
すなわち「1時間あたりの実質賃金」を算出し、改定後の最低賃金と比較をします。
(1)支給された賃金から、最低賃金の対象とならない賃金を除きます。
通勤手当は除外され、職務手当は除外されませんので、
190,000円+5,000円=195,000円
(2)この金額を時間額に換算し、最低賃金額と比較します。
(195,000円×12か月)÷(293日×7時間)=1,140.9円

ギリギリ最低賃金額以上となっていることが確認できました!
ギリッギリッです!
●1年単位の変形労働時間制の話へ
ここで最低賃金の確認が済んだところで、今度は『働かせ方そのもの』の相談に移りました。
クライアント先から

1年単位の変形労働時間制を導入したほうが残業代が抑えられるんですかね?
と質問を受けました。
そもそも労働基準法では
・原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけない
・労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけない
・少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければいけない
と規定されています。
すなわち、現在の雇用形態においては
1日7時間×週6日勤務 = 週42時間
なので、恒常的に時間外労働が発生している状態です。
そのため、「変形労働時間制を導入することでそれが解消できるのか」
という疑問が生じているわけです。
まずは現在の雇用形態になった理由
その疑問に対する答えを導くために、さらに過去のクライアントとの相談に遡ります。
1日8時間勤務の場合、年間104日は休日を設定しなければいけません。
(一応104日の確認ステップ)
① 1日の所定労働時間 → 8時間
② 1年の法定労働時間を使う(固定値)
週40時間 → 年間40h × 52.14週 → 約2085時間(これが上限)
③ 所定労働日数を逆算 2085 ÷ 8時間(1日)
→ 260.6日が最大の“法定内で働かせられる日数”
④ 年間の日数から引けば休日数が決まる
365日 − 260.6日 ≒ 104日
→ 1日8時間なら “最低でも約104日” の休日が必要になる。
だけど、クライアント先は

1日の労働時間の多さよりも、なるべく労働日数を多く取りたいんですよ
という事業所でした!
そのため、過去に1日の所定労働時間8時間 ➡ 7時間に雇用形態を見直した。
(一応7時間勤務にした場合の必要休日数確認ステップ)
① 1日の所定労働時間 → 7時間
② 1年の法定労働時間 → 約2085時間(上限)
③ 所定労働日数を逆算 2085 ÷ 7時間(1日)
→ 297.8日が最大の“法定内で働かせられる日数”
④ 年間の日数から引けば休日数が決まる
365日 − 297.8日 ≒ 68日
→ 1日7時間なら “68日” の休日でよくなる。
では、1年単位の変形労働時間制を導入すると?
ここで、当初の質問の「1年単位の変形労働時間制」に話を戻すと、
1年単位の変形労働時間制の労働日数の上限が「年間280日」と労基法施行規則で規定されているため、
365-280 = 85日は休日を与える必要があります。
すなわち、「1日の労働時間の多さよりも、なるべく労働日数を多く取りたい」というクライアントの要望を叶えるためには、1年単位の変形労働時間制はむしろ導入しないほうがいいという結論になります。
おわりに
本日は、最近改定された最低賃金の話を皮切りに1年単位の変形労働時間制の相談対応のお話をさせていただきました。
社労士っぽい仕事ですし、自分の勉強になる対応だったので、ここでもお話させていただきました!
本日もお読みいただきありがとうございました。

ではまたー